『レプリカたちの夜』
一條次郎氏のミステリー小説
『レプリカたちの夜』
を読んでみました。この作品がデビュー作と言う事で、“新潮ミステリー大賞”を取った作品らしいんだけど、これはミステリーなのか?
いや、ミステリーと言えばミステリー。だけどもその世界観とストーリーはSF小説とも言えるし、ファンタジー小説とも言える。
物語の世界観やテイストこそ全然違うんだけど、物語の冒頭ら辺をパラパラと読んでいた時に感じたのが「まるで『不思議の国のアリス』みたいだな」って事。
奇想天外な事や白昼夢のような摩訶不思議な出来事が次々と起こる。おかしな事が当たり前に起こるその世界ではまるで「自分の方がおかしいのか?」と言う錯覚を覚えるようで、当たり前の事が当たり前じゃなくなって、変だと思っていた事が常識だった・・・みたいな。
まさに白昼夢。「皆が当たり前に享受しているそれは本当に真実ですか?」と疑問を投げ掛けられているような感じで、これはある種の哲学書なのかも知れない。
個人的には面白かったんだけど、不思議な世界観と言うか独特なストーリー展開だから読む人によって結構賛否両論あるみたい。
ミステリー大賞を取った作品だけど、その他の要素が強過ぎてあまりミステリー感はないかもなぁ。
新潮ミステリー大賞の審査員を務めていた伊坂幸太郎氏をもって「ミステリーかどうか、そんな事はどうでも良いなぁ、と感じる程に僕はこの作品を気に入っています」と言わしめたそんな作品。
漫画で言うと西尾維新の描く『化物語』みたいな匂いがあるかも?
興味がある方は読んでみてね٩( 'ω' )و
0コメント